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スカウトの返信率が落ちている、本当の理由

「スカウトを送っても、昔みたいに返ってこない」——人材紹介の現場で、最近よく聞く話です。

返信率の数字が、じわじわ下がっている。送信数を増やしても、返ってくる絶対数はそんなに変わらない。「テンプレが悪いんじゃないか」「文面を変えてみよう」と工夫しても、効果は限定的。気がつくと、現場の時間がスカウトと日程調整に溶けていって、肝心の候補者との対話に使う時間が削られていく。

今日は、この「返信率が落ちている」問題について、業界の構造的な話と、僕自身が営業時代に学んだ話を、ぐちゃっと混ぜながら書いてみたいと思います。


なぜ返信率が下がっているのか

率直に話します。返信率が下がっている理由は、みんなが同じことを、同じやり方で、同じ相手に送っているからです。

AIで無限にスカウトが送れる時代になりました。テンプレも自動生成できる。職務経歴書もAIが要約してくれる。便利です。だから誰もが送信数を増やしている。

候補者の側に立って考えてみてください。一日にスカウトが何十通も届く。文面は似たようなものばかり。「あなたの経歴に魅力を感じました」「ぜひ一度お話を」。読まれずに流される。それが今の現実です。

ここで送信数を増やしても、相手の受信ボックスは増えていません。むしろ埋もれていく。送信数で殴る時代は、もう成立していないんです。


僕が営業時代に学んだ、たった一つのこと

ちょっと話が逸れますが、僕は新卒でエン・ジャパンに入社して、最初の3ヶ月は成果ゼロでした。家に帰って泣いた日もあります。「サッカーしかやってきていない無能」と影で言われていることも知っていました。

そこから抜け出すために、僕がやったことはシンプルでした。目の前の相手をちゃんと見る。それだけです。

電話の向こうにいる人事の方が、何に困っているのか。何を聞いたら反応するか。何を言ったら嫌がるか。テレアポをかけまくる中で、僕は1コール1コール、相手の声色を聞いて、間合いを測っていました。すると、同期100人の中でテレアポ1位になった。続けてグループ営業成績でも1位になった。

正直、特別なテクニックがあったわけじゃないんです。相手を見ているかどうか。それだけの差でした。

サッカーでもそうなんですよ。パスを出して、はい終わり、じゃない。相手の足元のどこに出せば次のプレーに繋がるか、相手のリズムをどう崩すか、その一瞬の判断で結果が変わる。営業もスカウトも、同じだと思っています。


返信率が上がる人は、何をしているか

成果を出している人材紹介会社さんを見ていると、共通点があります。

愚直に、相手を見ている。

スカウトを送る前に、その候補者がどんな経歴で、何を大事にしてきたかを読む。職務経歴書の中の、AIが要約しない部分まで読む。プロジェクトの順序、転職の理由、空白期間。そこに、その人がどう仕事と向き合ってきたかが滲んでいます。

そしてスカウト文面を、その人に合わせて書く。テンプレを使うにしても、最低限「あなたのここを見ました」という一言を入れる。

これだけなんです。本当にこれだけ。

でも、これを愚直にできる人は、業界の中で驚くほど少ない。多くが、テンプレに名前と会社名を差し込んで、はい次、はい次、と送っていく。それで返ってこないと「最近返信率落ちてるよね」と言う。

返信率を上げたいなら、送信数を増やすんじゃなくて、1通あたりにかける目線を増やすことです。


ジョブ型雇用の進行で、スカウトも変わる

もう一つの構造変化として、ジョブ型雇用の話があります。

ジョブ型雇用は、世間では「これから進む」みたいに言われていますが、現場感覚ではもう普通に進んでいるんですよ。歌ってるだけで結局そうなっちゃっている、というか。求職者の側も「自分はこの仕事ができる、これはできない」とジョブで考えるようになっています。

これは、スカウトの作り方にも影響します。

「いい会社ですよ」「成長機会があります」だけでは、もう響きません。この求人で、あなたのこのスキルが、こう活きる。そこまで言語化できないと、候補者は動かなくなっている。

これも、結局は「相手を見ているか」の話に戻ります。要件をふわっと書いたままでは、ジョブ型の時代に通用しない。求人企業と密にコミュニケーションを取って、職務の中身を解像度高く言語化する。そうやって整えた要件を、候補者のスキルに合わせて翻訳する。この翻訳が、人材紹介会社の本来の仕事だと、僕は思っています。


AI時代だからこそ、人が動く意味がある

AIで効率化できるところは、どんどん効率化すればいい。職務経歴書の整理、スカウトのABテスト、日程調整。事務的な作業は、人がやらなくていい。

でも、最後に返信率を決めているのは、1通のスカウトに込められた「あなたを見ました」というメッセージです。それは、AIが代わりに書けない部分です。

AI面接という流れもありますが、受けた候補者の感想は「緊張した」「印象が悪い」というネガティブなものが多い。本当に行きたい会社ほど、AI面接なんてやらない。ちゃんと人を大事にしている会社は、人が会う

スカウトも同じです。本当に来てほしい候補者に、AIが書いた量産文を送る。それは、相手にも伝わります。


標準化は必要、でも「人が見る」を消さない

ここまで「相手を見る」「ひと手間」という話をしてきましたが、「じゃあ全部手作業でやれ」と言いたいわけじゃありません。

スカウトの送信オペレーション、文面のバリエーション管理、日程調整、効果測定。こういう運用は標準化すべきです。属人化していると、誰かが辞めた時に、その人の知見がまるごと消えてしまう。それは組織として弱い。

事務作業を標準化して、人が見る時間を増やす。スカウトを送る前に候補者を読む、推薦する時に一言添える、企業に温度感を伝える——こういう「人にしかできない仕事」に、現場の時間を戻す。

そのために必要なのは、入力を増やす管理ツールではなく、入力を増やさない運用設計です。導入したことで、現場が「また仕事が増えた」と感じるなら、それは本末転倒です。


まとめ:変化を味方に

返信率が落ちているのは、業界全体で起きている問題です。AIで誰もが量を出せるようになり、ジョブ型雇用が「要件×提案」の解像度を要求するようになり、求職者の側はますます選ぶ側になっている。この流れは、もう戻りません。

だから、残る選択肢は2つだと思っています。

このまま、送信数で頑張り続けて、現場の時間を埋めていくのか。 それとも、送信・調整を減らして、「要件×提案の精度」に時間を戻すのか。

僕らSales Agentは、営業職特化のプラットフォームです。普通の人材紹介会社が一社で抱える「求人開拓(RA)」の部分を僕らが担い、登録してくれた人材紹介会社さんは「求職者を担当する側(CA)」に専念できる仕組み。未来への適応コストを最小化するための基盤になることを目指しています。

小さく導入して、返信率や決定率という成果で評価する。それが、現実的に前に進める道筋だと思います。

変化は避けられません。だったら、先に動いた側が勝ちます。


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